2024年は11月21日に
ボジョレー・ヌーヴォー解禁!
ワインとおつまみで乾杯しよう
2024年11月21日(木)は、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日。ワイン好きな方は、この日が待ち遠しいのではないでしょうか。今や日本にもすっかり定着したボジョレー・ヌーヴォー。その起源には諸説ありますが、収穫を祝う秋のお祭りにワインを捧げたのが始まりとされています。
年に一度の乾杯に備えて、ボジョレー・ヌーヴォーの魅力を徹底解剖。ワインによく合うおつまみも合わせてご紹介します。
これを読めば、あなたもワイン通になれるかも!?
もくじ
1.ボジョレー・ヌーヴォーとは?
ボジョレーとは、フランスのブルゴーニュ地方南部にあるボジョレー地区で、その年に収穫されたガメイ種のブドウのみを使って醸造される新酒のことです。ヌーヴォーは、フランス語で「新しい」という意味。つまりボジョレー・ヌーヴォーとは、「新しいボジョレー産ワイン」の総称なのです。
「ボジョレー・ヌーボー」「ボージョレ・ヌーヴォ」などのさまざまな呼び方がありますが、発音や表記のゆれによるもので、実はすべて同じものを指しています。
2.ボジョレー・ヌーヴォーの歴史
ボジョレーの地名は、フランス語で美しい高台を意味する「ボージュ(Beaujeu)」が由来とされています。その名の通り、なだらかな丘陵地帯にはブドウ畑が点在し、秋になるとあたり一面がワイン色に染まる美しい景色が広がります。
夏場は暑く、冬場は寒いこの地域は、ブルゴーニュ地方の中でも北部に位置するシャブリ地区やコート・ドールよりも温暖な気候に恵まれ、ブドウ畑への日当たりも良好。ワイン造りに最適な条件を備えています。
この地におけるブドウ造りの歴史は古く、紀元前125年にローマ人とガリア人が栽培を始めたのが起源と伝えられています。
その後、600年にカトリック教会ベネディクト派の修道士によって、ワインの醸造がスタートしました。
ボジョレーのあるブルゴーニュ地方は1031〜1477年の間、ブルゴーニュ公国でした。1395年に当時ブルゴーニュ公だったフィリップ2世(豪胆公)がコート・ドールで栽培する赤ワイン用ブドウをピノ・ノワール種に限定する法令を出したため、ガメイ種の栽培は南部のボジョレーに集中していきました。
こうしてガメイ種で造られるようになったボジョレー産ワインは、1600年代半ばになるとソーヌ川とロワール川の運河を経由してパリに運ばれ、人気を獲得していきます。
1800年には「ボジョレー・ヌーヴォー到着!」のキャッチフレーズと共に、リヨンへの輸送も始まりました。
1937年には原産地統制呼称制度(AOC※)により、「ボジョレー」のお墨付きが与えられるように。1951年には11月の第三木曜日を解禁日とすることが決定しました。
※Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)の略称。
フランスの農業製品に対する品質保証で、特定の条件を満たしたものだけに与えられます。
産地偽装やニセのお墨付きを防ぎ、農産物の品質を維持するために制定されました。
3.なぜ解禁日があるの?
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は、ワイン法により「毎年11月の第3木曜日午前0時」と決まっており、それ以前の販売は一切禁止されています。
このような法律ができたのは、ボジョレー・ヌーヴォーをいち早く出荷しようとするワイン販売業者の競争が激化し、質の悪いワインが市場に出回るようになったのが原因です。フランス政府はワインの品質を守るため、1967年に11月15日を解禁日とする法律を制定しました。
ところが11月15日に土日や祝日が重なると、輸送が遅滞して出荷できないトラブルが発生。ワインの売れ行きに影響が出てしまうため、1985年に安息日と重ならない「毎年第3木曜日」が新たな解禁日となったのです。
日付変更線の関係で、日本は本場フランスより約8時間早く解禁日を迎えるため、ひと足先に新酒の味わいが楽しめます。
ひとくちメモ
実は出荷期間も決まっている
ボジョレー・ヌーヴォーはいつまでも出荷されているわけではありません。フランスのワイン法により、毎年12月10日までには出荷を終えるよう定められています。
4.ボジョレーに白ワインはない?
冒頭でも少しふれましたが、ボジョレー・ヌーヴォーは「ガメイ種」のブドウだけを100%使用した赤ワインまたはロゼワインのことです。フランスの法律により、ガメイ種以外のブドウを使ったワインはボジョレー・ヌーヴォーとして認められません。ボジョレー地区では白ワインも醸造されていますが、ボジョレー・ヌーヴォーの名を冠するものに白ワインは存在しないのです。
ガメイの正式名称はガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン。「白い果汁の黒いガメイ」という意味で、薄い皮と大きな粒を持つボジョレー地区原産の黒ブドウです。果皮や種子に対して果汁の比率が高く、他の赤ワインに比べて色素はやや薄め。発芽と成熟が早く、涼しい気候でもすくすくと育つので、豊作になりやすいのが特徴です。
この品種から造られるワインは、カジュアルな口あたりの良さが最大の魅力。口に含むとバラやスミレのような花の香りに、イチゴのような甘酸っぱい果実の香りが重なり合い、美味しいハーモニーを奏でます。タンニンが少なく、酸味がほどよく効いたフレッシュでフルーティな味わいは、パーティなどの華やかな場面にぴったりです。
5.ボジョレーには格付けがある
ひと口にボジョレー・ヌーヴォーと言っても、実はさまざまな種類があり、原産地統制呼称制度により格付けされています。
最も一般的なのはボジョレー・ヌーヴォーと記載されるものですが、ボジョレー地区北部の38村で造られた「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」は、これより格上になります。ボジョレー・ヴィラージュは栽培エリアがボジョレー地区全体の3分の1ほどしかなく、収穫量も厳しく制限されています。
さらに最上級の「クリュ・デュ・ボジョレー」は、ピノ・ノワールに匹敵する複雑な香りと力強い味わいが特徴。地区内で最も豊かな土壌に恵まれた10村でのみ醸造されています。
ちなみにクリュ・デュ・ボジョレーには新酒の規定がないため、新酒として出荷される際はボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーとして販売されることになります。
6.ボジョレーの通な選び方
ボジョレー・ヌーヴォーを選ぶ時は、ラベルの表示をよくチェックしましょう。そこに「VV」の記載があれば、ひときわ奥深く芳醇なワインを味わうチャンス。VVは「Vieille Vigne(ヴィエイユ・ヴィーニュ)」の略で、特別古い木から収穫されたブドウを使っている証です。ボジョレーには樹齢100年を超える木も多く、こうした古木から造られる新酒は奥深く濃厚な味に仕上がります。
また「クラシック」の表記があるボジョレーは、炭酸ガスを自然発生させる昔ながらの製法で醸造されたもの。しっかりと落ち着いた豊かな味わいが楽しめます。
7.独特のキャッチコピーは誰が作っているの?
ボジョレー・ヌーヴォーといえば、毎年話題になる独特のキャッチコピーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実は、日本に出回っているボジョレーのコピーには2種類があります。
1つ目はフランスのボジョレーワイン委員会によるブドウの品質評価にもとづき、フランス食品振興会(SOPEXA)の公式見解を翻訳したもの。2つ目は、その情報をもとに日本の販売業者が独自に制作したコピーです。
後者は日本人により分かりやすく特徴を伝えようとして、少し誇大広告気味になっていると指摘されることも。
過去には「110年ぶりの当たり年」(2003年:公式コピー「並外れて素晴らしい年」)「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」(2011年:公式コピー「3年連続で、偉大な品質となった」)などが発表されており、本家と比べてもかなり大げさな表現であることがわかります。
歴代のコピーを振り返ると、年々高評価になってきているように見えますが、これは生産者や販売業者のビジネス戦略というわけではありません。温暖化でブドウの完熟度が上がり、結果的に良質なワイン産地が増えたことに起因しています。
深刻な気候変動は、ワインの味にまで思わぬ影響を与えているのですね。
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日が近づくと、キャッチコピーだけが一人歩きして注目を集めますが、誰があれを作っているのかは謎に包まれています。ちなみに、2023年に発表された日本独自のキャッチコピーは「まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったような味わい」。今年はどんなキャッチコピーになるのか、事前に予想してみるのも楽しいかもしれません。
〈歴代キャッチコピーの比較一覧(2002〜2022年)〉
年 | ボジョレーワイン委員会による品質評価 | 日本の販売業者による品質評価 |
---|---|---|
2002年 | 色づきが良く、しっかりとしたボディ | 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来 |
2003年 | 並外れて素晴らしい年 | 110年ぶりの当たり年 |
2004年 | 生産者の実力が表れる年 | 香りが強く、なかなかの出来栄え |
2005年 | 59年や64年、76年のように偉大な年の1つ | ここ数年で最高 |
2006年 | とてもうまくいった年 | 今も語り継がれる76年や05年に近い出来 |
2007年 | 果実味豊かでエレガント | 柔らかく果実味豊かで上質な味わい |
2008年 | フルーツ、フルーツ、フルーツ | 豊かな果実味とほどよい酸味が調和した味 |
2009年 | 数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年 | 50年に1度の出来 |
2010年 | 果実味豊かで、なめらかでバランスの取れた | 50年以降最高の出来と言われた09年と同等の出来 |
2011年 | 3年連続で、偉大な品質となった | 100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え |
2012年 | 心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた | 史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか |
2013年 | 繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ | みずみずしさが感じられる素晴らしい品質 |
2014年 | エレガントで味わい深く、とてもバランスが良い | 近年の当たり年である09年と肩を並べるクオリティ |
2015年 | 記憶に残る素晴らしい出来栄え | 我がワイン人生最良のヌーヴォー |
2016年 | エレガントで、魅惑的なワイン | エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい |
2017年 | 豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい | フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい |
2018年 | 17年、15年、09年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう | 理想的な条件のもと、素晴らしいヴィンテージへの期待高まる |
2019年 | 天候などの条件は厳しかったが、有望で生産者のテクニックが重要な年 | バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン |
2020年 | 非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり | 極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ) |
2021年 | 挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー | 採れたてのいちごにかじりついたような味わい |
2022年 | 太陽に恵まれたヴィンテージ 果実味とストラクチュアの完璧なバランス | 濃い色調と豊かな香りを備えた、傑出したヴィンテージ |
2023年 | まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったような味わい |
8.初心者でも簡単!コルクの開け方
おうちでボジョレーを飲む時に、まず気になるのがコルクの開け方。フィルムがきれいに剥がせなかったり、コルクがボロボロになって抜けなかったり、実は苦手意識を抱いている方も多いのでは?失敗しない開け方のコツをつかんで、気軽にワインを楽しみましょう。
| ワインオープナーを使う
●フィルムの周りに切り込みを入れる
ワインオープナーの刃を出し、利き手でしっかり握ります。利き手の親指をボトルの上で固定し、刃先を奥〜手前にすべらせるようにして、半分ずつ切り込みを入れます。
●フィルムを剥がす
切り込みを入れた部分に垂直に刃を当て、タテに切り込みを入れます。角の切れ目に刃先を入れ、フィルムをめくって剥がしましょう。
●コルクにスクリューを入れる
オープナーのスクリュー部分を取り出し、コルクの中心に当てます。そのまま垂直に差し込んで、ゆっくり時計回りに回しましょう。差し込みが浅いと、引き抜く途中でコルクが折れてしまうので、奥までしっかり差し込むのがポイント。
●コルクを抜く
オープナーのフックをボトルの口に引っかけ、レバーを持ち上げてコルクを抜きます。
| オープナーがない時はこれで代用
●ネジとドライバーを使う
ドライバーを使ってコルクにネジを差し込み、ネジと一緒にコルクを引き抜きます。ネジは長さ3cm以上のものがおすすめ。もしペンチがあるなら、ネジをペンチでつかんで引っ張ると比較的ラクに栓が抜けます。
●フォークやナイフを使う
小さめのフォークやナイフをコルクに差し込み、回しながらゆっくり引き抜きます。コルクがある程度まで抜けてきたら、別の場所にフォークやナイフを差し替えましょう。こうすることで、コルクがちぎれてしまうのを防げます。
| コルクが途中で折れてしまった場合
引き抜く途中でコルクが折れてしまっても、慌てることはありません。折れたところから再びスクリューを差し込み、ボトルの口に沿わせるようにして引き上げてください。
この時、角度はまっすぐではなく、斜めに差し込むのがポイントです。コルクが短くなっている分、ゆっくり慎重に引き上げましょう。
どうしても抜けない場合は、コルクを下に押し込んで液体内に落とし、ワインだけをデキャンタなどの別容器に移し替えてください。ワインに混じった細かいコルク片は、茶こしやコーヒーフィルターを使うときれいに取り除けます。
9.ワインの上手な保存方法
「ワインは生き物」と言われるように、ちょっとした環境の変化でも、味や香りが劣化するデリケートな飲み物です。特に、ボジョレーならではのフレッシュな美味しさを保つには、適切な状態で保管することが大切。ここでは、ワインを上手に保存するためのポイントをお教えします。
【温度】
ワインを保存する上で、忘れてはならないのが温度。ワインは急な温度変化に弱いため、13〜15度の涼しい環境で保存しましょう。
【湿度】
湿度の低い場所でワインを保管していると、コルクが乾燥して縮み、隙間から空気が入って酸化するおそれがあります。湿度は65〜80%を維持するのが理想です。
【光】
ワインは光(紫外線)によって変質する特性があります。直射日光はもちろん、蛍光灯の光に当たっても劣化が進むので、冷暗所で保管する必要があります。
【振動】
実は振動にも弱いワイン。細かい揺れが加わると化学変化を起こして、味や香りが落ちる可能性があります。ドアの開閉が多い部屋や、電子機器などの振動がある場所は避けて、安定したところにしまっておきましょう。
【ニオイ】
たとえ未開封であっても、コルクは外部のニオイを通してしまいます。たとえば香辛料や洗剤、香りつきの消臭剤など、ニオイがきついものは近くに置かないようにしましょう。
【角度】
ワインセラーや冷蔵庫の野菜室などで長期保存する場合、ワインボトルは寝かせておくのが基本です。その理由は、「コルクが乾かないようにするため」。コルクの乾燥はワインの酸化につながります。ボトルの底の方がやや高めになる角度で保管するようにしましょう。ただし、常温の場合はコルクのニオイがつかないように立てて保存します。
| 未開封のワインを保存する場合
コルクの乾燥を防ぐため、ワインボトルは新聞紙や包装紙などにくるんで保管しましょう。気温は季節によって大きく変わるので、それぞれのシーズンに合わせた対策も欠かせません。
●暑い夏のワイン保存
昼夜の気温差が激しく、日中の最高気温が30度以上にもなる夏場は、ワインが劣化しやすい季節。この時期にワインを購入したら、長期保存は避けて、早めに飲み切るのがベターです。保存時は常温ではなく、冷蔵庫の中でも温度・湿度が高い野菜室で保管するのがおすすめです。
●寒い冬のワイン保存
冬の寒い時期や比較的涼しい季節には、「暖房で暖かくなりすぎない」「冷えすぎない」場所で保管するのがポイント。床下収納や暖房をつけない部屋の押し入れなど、ワインにとって適切な温度(13〜15度)の場所を探してみてください。
ただし、冷え込みが厳しい地域などで室温が低くなりすぎる場合は、夏と同じく冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。
| 開栓後のワインを保存する場合
ワインを開栓すると酸化が一気に進むため、その日のうちに飲むのがベストです。とはいえ、一人暮らしの方などはどうしても飲み切れないことがありますよね。
約1週間ほどなら、冷蔵庫に保存しておいても美味しさをキープできますが、熟成が進んだワインは2〜3日で飲み切ってしまいましょう。保存の際はいくつかの方法があります。
●抜いたコルクをはめ直す
最も簡単なのは、抜いたコルクで再び栓をする方法。ただし、開栓後のコルクはスクリューで穴が開いているため、酸化が進みやすくなっています。できるだけ鮮度を保ちたいなら、コルクにラップを巻きつけてからはめ直しましょう。隙間から空気が入りこむのを防いで、酸化を遅らせることができます。
●ワインストッパーを使う
市販されている密閉用のストッパーを使うと、コルクよりもスムーズに栓ができます。少しでも長く保存したい場合は、ボトル内の空気を抜いて真空状態にし、酸化を抑えてくれるストッパーを活用しましょう。
●小さなボトルに移し替える
別のガラス瓶やボトルに残ったワインを移し替えて保存するのもアリです。その際は酸化が進みにくいよう、残ったワインがぴったり入るくらいの容量のボトルを選びます。
10.ボジョパによく合うおつまみ
すっきりフルーティなボジョレー・ヌーヴォーには、ドライフルーツがよく合います。
なかでも自然な甘みと酸味があるデーツやイチジク、アプリコットはアペタイザーにぴったり!乾燥により凝縮されたジューシーな旨みと香りが、フレッシュなワインの味を引き立てます。
ドライフルーツはチーズやナッツとも相性が良いので、一緒のプレートに盛り付けてボジョパ(ボジョレー・パーティー)を開くのも楽しいですね。
そこでおすすめしたいのが、チーズとナッツをひとかけ口に含んでから、ドライフルーツを少々かじり、最後にワインを飲む味わい方。チーズの旨みとナッツの香ばしさに、ドライフルーツのほのかな甘み、ボジョレーのコクと香りが徐々に溶け合い、口の中でマリアージュされます。チーズとナッツにお好みでオリーブオイル・黒コショウを加えても、マリアージュの味に奥行きが生まれて美味しいですよ。
ひとくちメモ
ボジョレー・ヌーヴォーをさらにおいしく飲むには
ボジョレーは通常のワインと異なり、少し冷やした方がフレッシュな味わいが引き立ちます。飲む1時間ほど前から冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。
11.栄養も旨みも満点!ドライフルーツ
ワインのお供に最適なドライフルーツは、乾燥により水分が蒸発した分、滋養がギュッと詰まっており、効率的に栄養を摂ることができます。
全ての栄養素が生の果実より多いわけではなく、果物によっても違いはありますが、ミネラルやポリフェノールなどのフィトケミカル、食物繊維は生の状態よりぐんと増えるものが多いです。
食物繊維が豊富だと自然によく噛むようになるので、少量でも満腹感につながります。ダイエット中の方がドライフルーツをスイーツ代わりに食べるのは、このような理由があったのですね。
今回はドライフルーツの中でも特に栄養価の高い4種類に注目。それぞれの味や特徴を詳しく調べてみました。
【レーズン】
紀元前から愛されてきた太陽の恵み
ぶどうを乾燥させて作るレーズンは、ドライフルーツの代名詞的な存在。なんと紀元前13世紀ごろから、現在のスペインやギリシャ、イランあたりで作られていたそうです。
ぶどう1kgから作られるレーズンは、わずか200gほど。皮ごと天日干しすることにより、一粒一粒に栄養素がギュッと凝縮されています。
レーズンといえば、まず真っ先に「シワの寄った黒っぽい茶色の実」をイメージする方が多いのではないでしょうか?レーズン特有のあの色は、果実に含まれるぶどう糖(グルコース)とアミノ酸が熱によって結合し、「メイラード反応(褐変反応)」を起こしたものです。
レーズンの多くは緑色のぶどうから作られますが、太陽の光を浴びて「日やけ」し、天然の茶褐色に変化するのです。
栄養素
- ●食物繊維:4.1g
- ●カリウム:740mg
- ●カルシウム:65mg
- ●マグネシウム:31mg
- ●鉄分:2.3g
※全て100gあたりの含有量
【イチジク】
美と健康をサポートする「不老長寿の果物」
イチジクはクワ科の落葉樹木。紀元前から地中海沿岸や西アジアで栽培され、滋味豊かな“不老長寿の果物”として珍重されてきました。アダムとイブが食べた禁断の果実としても有名で、古代の人々にとって非常に魅惑的な食材だったことがうかがえます。
生のイチジクをナイフで切ると、断面に白い小さな粒々がたくさんあることに気づきます。あの粒々は果実のように見えますが、厳密には「花」なのです。イチジクは隠頭花序(いんとうかじょ)と言って、実のように見える内部に花を咲かせるユニークな果物。一見、外からは花をつけないように見えるため、漢字で「無花果」と書きます。
現在、市場に流通しているイチジクはトルコ産をはじめ、イラン産やギリシャ産、アメリカ産などがあります。
イチジクを乾燥させたドライフィグは、濃厚な甘さがありながらも、後味はすっきり爽やか。ねっとりとした柔らかい歯ざわりの後に、プチプチとした独特の食感が楽しめます。
生ハムやクリームチーズ、ナッツ類とも相性が良く、カナッペやピンチョスなどにもおすすめです。
食物繊維のペクチンや鉄分、カロテン、ポリフェノールがたっぷり詰まったドライフィグは、美容・健康意識の高い女性を中心に人気があります。
栄養素
- ●食物繊維:10.7g
- ●カリウム:840mg
- ●カルシウム:190mg
- ●マグネシウム:67mg
- ●鉄分:1.7mg
※全て100gあたりの含有量
【パイナップル】
コロンブスが発見した「王の果実」
南米原産のパイナップルが世界的に注目を浴びたのは、コロンブスの航海がきっかけでした。西インド諸島でパイナップルを発見した彼は、そのほかの珍しい動植物と一緒にこのフルーツを持ち帰り、スペイン国王に献上しました。これまで見たことのない黄金色の果物を口にした国王は、独特の甘酸っぱい味をとても気に入り、ほめたたえたそうです。
その後、ヨーロッパで温室栽培が始まると、パイナップルは王侯貴族の食べる希少なデザートとして、人々の憧れの的になりました。
パイナップルは、エネルギーを作るビタミンB1、消化を助けるタンパク質分解酵素(プロメライン)などの栄養素が豊富。芯の部分にも食物繊維がたっぷり詰まっており、捨てるところがない果実と言えます。
栄養素
- ●食物繊維:1.2g
- ●カリウム:150mg
- ●カルシウム:11mg
- ●マグネシウム:14mg
- ●鉄分:0.2g
※全て100gあたりの含有量
【マンゴー】
カロテンたっぷり!
トロピカルフルーツの代表格
インド東部やミャンマーで、約4,000年前から栽培されていたと言われるマンゴー。世界で最も有名なトロピカルフルーツのひとつで、近年は日本の温かい地域でも本格栽培されています。
国内で主に作られているのは、果皮が赤く、甘みと香りが濃厚なアップルマンゴー。このほかに、世界一の生産量を誇るインド産のアルフォンソマンゴー、黄色く甘酸っぱい果肉のフィリピン産ペリカンマンゴー、フレッシュでさっぱりとした風味のオーストラリア産ピーチマンゴーなど、実に500種類以上もの品種があります。
マンゴーには、カロテンやビタミンC・E、葉酸などの栄養が多く含まれます。特に、ビタミンAの含有量は果物の中でもトップクラス。目の健康や美肌を意識している方におすすめのフルーツです。
栄養素
- ●食物繊維:6.4g
- ●カリウム:1,100mg
- ●カルシウム:37mg
- ●マグネシウム:57mg
- ●鉄分:0.5g
※全て100gあたりの含有量
日本食品標準成分表2020(八訂)をもとに算出
西原オンライン おすすめ商品
クセのない上品な甘みと酸味
ワインのお供に 龍屋物産のドライフルーツ
「スイートサファイア TM種」 の枝付き干しぶどうは、「フレッシュぶどう」 の新鮮な風味を残しながらも、「レーズン」の凝縮された甘味も合わせ持つ特別な乾燥果実です。果肉の心地よい食感の後には、上品な甘味が口の中に広がります。 一つのプレートに生ハムやサラミ、ナッツやチーズ、 ピクルス等を一緒に盛り合わせてワインやスパークリングワイン等とお楽しみください。紅茶や中国茶との相性も良く、ティータイムにもお楽しみいただけます。
トルコで収穫された、大粒のスミルナ種白イチジクを天日で乾燥。添加物を使わずに素材本来の味わいを最大限に引き出しました。すっきり爽やかな甘み、ふっくら肉厚で柔らかな食感が際立ちます。
パイナップルの「芯」から生まれた、スティック状の新感覚ドライフルーツです!
甘さ控えめで、食物繊維が豊富に含まれています。
舌ざわりなめらかで酸味と甘みのバランスが良いフィリピン産マンゴーのドライフルーツです。
やわらかでフルーティーな味わいをお楽しみください。