数の子を知ろう①実は低プリン体&高タンパクな栄養の宝庫!毎日のアレンジ料理にも活躍【レシピつき】
数の子といえば、おせち料理の定番。プチプチ、コリコリとした独特の食感は一度食べたらやみつきになる美味しさです。ところで、みなさんは数の子が何の魚卵か知っていますか?昔から日本人にとって身近な存在ではあるものの、お正月以外では口にする機会が少ない数の子。実は「海のサプリメント」と称されるほど、豊富な栄養が詰まったヘルシー食材なのです。
今回は数の子に秘められた力を探るべく、全4回に分けて連載をお届けします。第1回目は数の子の栄養や期待できる効果、おすすめの食べ合わせなどをリサーチ。体にうれしい成分を上手に摂取できるアレンジレシピもご紹介します。続く2回目は塩抜きや戻し方のコツを、3回目は産地別の食感の違いや歴史について、4回目は西原オンラインストアいちおし商品の開発秘話エピソードを掲載予定です。普段の食生活に数の子を取り入れて、健やかな毎日をめざしましょう!

もくじ
1.数の子はニシンの卵|名前の由来は北海道・東北地方の方言から

数の子とは、ニシンの卵のこと。一説によると、ニシンはその昔、北海道や東北地方の方言で「カド」と呼ばれていたため、「カドの子」が訛って「数の子」になったとされています。当時の人々は、小ぶりなニシンとイワシの見た目がよく似ていたので、頭が角ばっているニシンの方を「カドイワシ」と呼んで区別したのだとか。これが「カド」の語源になったと言われています。
2.数の子にまつわる誤解|「魚卵=体に悪そう」は間違い!数の子はプリン体もコレステロールも意外と少ない
【プリン体がきわめて少ない】

魚卵というと、何となくプリン体が多そうなイメージがありませんか?実は、数の子はさまざまな病気の引き金となるプリン体含有量がきわめて少ない食材です。プリン体は穀物や肉、魚、野菜など、ほとんどの食品に含まれていて、主に旨みとなる成分。通常、プリン体は肝臓で代謝され、最終的に尿酸として体外に排出されますが、プリン体の摂りすぎで体内に尿酸が溜まると、高尿酸血症や痛風を引き起こすおそれがあります。また、腎臓や尿路にプリン体が沈着すると、腎臓障害や尿酸結石を発症する可能性も。このように摂りすぎると危険なプリン体ですが、もともとの含有量が少ない数の子なら、安心して食べることができます。
【ほかの卵類に比べてコレステロールも少なめ】
コレステロールは体内で細胞膜をつくるために必要な要素ですが、いわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多くなりすぎると血管壁に張りつき、放っておくと動脈硬化を招くおそれがあります。
数の子100gあたりのコレステロール含有量は、ほかの魚卵や鶏卵に比べても少なめで、なんとイクラの約半分。罪悪感なく楽しめる食材として注目され始めています。

3.数の子の栄養|DHA・EPAやアミノ酸、ビタミンD、コエンザイムQ10などが豊富
【DHA・EPAがマグロのトロより多い】

数の子はDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含んでいます。脂質全体に占めるDHA・EPAの比率は、マグロやサバ、イワシを上回るほどです。
DHAもEPAも、人間が生きていく上で欠かせない必須脂肪酸のひとつ。しかし、体内でほとんど生成できないため、積極的に食事から摂取しなければなりません。
DHA・EPAには脳の活性化や記憶力・集中力の維持、悪玉コレステロール低下、アレルギー対策、目の健康維持など、さまざまな効果が期待できます。
【タンパク質が豊富で、不足しがちな「リジン」が補給できる】

数の子が含有するタンパク質は、肉類や牛乳・乳製品と同じくらい栄養価があります。さらにこのタンパク質には、必須アミノ酸の「リジン(リシン)」が含まれています。必須アミノ酸とは、私たちヒトが体内で合成できないアミノ酸のこと。人間は9種類ある必須アミノ酸をバランスよく摂ることで、生命活動に必要なタンパク質を作れるようになります。日本人の主食である米はリジンが不足しがちなため、数の子を食べることはアミノ酸補給にもつながるのです。
【免疫機能に関わるビタミンDがたっぷり】
多くの女性に足りていないビタミンDも豊富な数の子。生の状態なら100gあたり13μg、塩蔵を水戻しした状態なら100gあたり17μg、乾燥した状態なら100あたり32μgものビタミンDが摂取できます。つまり中サイズの数の子を約2本(30g)食べるだけで、1日に必要な量の1/3が補えるのです。ビタミンDは骨の健康や免疫機能に関わる重要な栄養素で、カルシウムの吸収もサポートする働きがあるので、手軽に摂取できるのはうれしいですね。
【抗酸化成分のコエンザイムQ10・ルテインを含有】

数の子は若々しさをサポートする抗酸化成分「コエンザイムQ10(CoQ10)」「ルテイン」も含有しています。コエンザイムQ10にはビタミンEの働きを助ける性質があるため、ビタミンEが多い食材と一緒に摂るとより効果的です。
ひとくちメモ
脳の健康はよく噛むことから始まる!?
数の子特有のプチプチとした歯ざわりは、ひとつひとつの卵がギュッと固まっていることから生まれたもの。食感を楽しむことは、脳の活性化にもつながるとされています。人間は「噛む」ことによって歯根膜が受け取った情報と、「食べる」ことによって受け取った味覚などの情報を、神経を通じて脳へ送ります。これにより、脳内の運動・感覚・記憶・思考・意欲に関わる部分が広く活性化されるのだとか。毎日の食事をよく噛んで、健やかな脳をめざしましょう!
4.数の子の加工方法|塩数の子・味つけ数の子・干し数の子は何が違う?
数の子は生の状態だと鮮度が落ちやすいため、ほとんどの場合は漁獲後すぐに加工されます。加工方法は大きく分けて、「塩数の子」「味つけ数の子」「干し数の子」の3種類。それぞれの違いやポイントについて見ていきましょう。
【塩数の子】

塩漬けにした数の子を「塩数の子」と言います。現在、スーパーや市場に最も出回っているのがこのタイプです。塩漬けにしているため日持ちがよく、幅広い料理のアレンジに活躍します。パリッとした歯ごたえで、数の子ならではのツブツブ感もしっかり楽しめます。食べる際は塩抜きと薄皮の除去作業が必要です。
【味つけ数の子】

その名の通り、だしや醤油などであらかじめ味つけされた数の子。下ごしらえがいらず、そのまますぐに食べられる手軽さが魅力です。北海道南部の郷土料理「松前漬」は、味つけ数の子の代表例。スルメや昆布と一緒に漬け込んだ、旨みたっぷりの数の子はごはんが進みます。
【干し数の子】

数の子を天日干しにした「干し数の子」は、常温でも長期保存できる高級品。冷蔵技術が進歩していなかった昔は天日による乾燥が主流でしたが、完成までに手間ひまがかかることもあって現在はあまり作られていません。パリパリ、プチプチとした硬めの食感が大きな特徴。食べる際も、元に戻すのに時間がかかる場合があります。
5.数の子アレンジ料理|一緒に食べて、効率よく栄養摂取!おすすめの食べ合わせと調理法【レシピあり】
【DHA・EPAを効率よく摂取する】
数の子に含まれるDHA・EPAは、食べる季節や調理方法によって含有量が変化する栄養素です。効率よく摂取するには、旬の時期に加熱せずそのまま食べるのがベスト。とはいえ、数の子は塩蔵や天日干しが基本で、栄養もギュッと凝縮されているため、一年を通してしっかり栄養が摂取できます。加熱調理する場合は煮汁に栄養が流れ出てしまうので、煮汁ごと食べるようにしましょう。
【数の子と豚肉は相性ぴったり!ビタミンB1が上手に摂れる】
豚肉は牛肉に比べて、約10倍ものビタミンB1があります。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変換するのに欠かせない成分で、疲労回復や集中力アップにおすすめ。豚肉はコレステロールがあるので食べすぎには注意が必要ですが、数の子と一緒に摂ることで悪玉コレステロールを減らしながら、記憶力・集中力アップを期待できます。なぜなら数の子に含まれるEPAには、悪玉コレステロールを減らす働きがあるからです。今回は、数の子と豚肉を使ったカツ丼のレシピをご紹介。コリコリの数の子とサクサクのカツ、2つの食感をおうちで作って味わってみてくださいね!
数の子カツ丼

【材料(2人分)】
- ・数の子 4本
- ・豚バラ肉 120g
- ・スライスチーズ 4枚
- ・塩コショウ 適量
- ・薄力粉 適量
- ・溶き卵 適量
- ・パン粉 適量
- ・サラダ油 適量
- ・玉ねぎ 1/2個
- ・卵 4個
- ・白飯 2杯分
- ・小ねぎ 適宜
- ・めんつゆ(4倍濃縮) 50ml★
- ・みりん 大さじ1★
- ・水 150g★
【作り方】
- ①スライスチーズをタテ4等分に切り、豚バラ肉を2枚ずつ並べた上にのせ、さらに数の子を1本重ねて、端からクルクル巻いていく。これを計4本作る。
- ②①に塩コショウと薄力粉を順に振り、溶き卵にくぐらせてパン粉をまぶす。
- ③180℃の油で衣がサクッとするまで揚げ、お好みのサイズに切る。
- ④玉ねぎを1cm幅に切り、★と一緒に鍋に入れ、透き通るまで中火で煮る。
- ⑤ボウルに卵を割り入れ、軽く溶きほぐす。
- ⑥玉ねぎを煮込んだ鍋にカツを入れ、中火で少し煮たら⑤の卵をかけてフタを閉じ、中火で3分ほど加熱する。
- ⑦丼に白飯を盛りつけ、⑥をのせる。お好みで小ねぎを飾れば完成。
数の子入りポテサラ

【材料(2人分)】
- ・数の子 1本
(塩数の子または味つけ数の子) - ・じゃがいも 2個
- ・玉ねぎ 1/4個
- ・きゅうり 1/4本
- ・にんじん 1/8本
- ・ハム 2枚
- ・マヨネーズ 大さじ5
- ・コショウ 少々
【作り方】
- ①じゃがいもの皮をむいて適当に切り、にんじんはイチョウ切りにする。
きゅうりは小口切り、玉ねぎは薄切りにし、水にさらして水気を切る。
ハムは食べやすいサイズに切り、数の子はひと口大にちぎっておく。 - ②じゃがいもを水からゆで、ゆで上がったら熱いうちに固形感が残る程度につぶし、粗熱をとる。
- ③②にカットしたすべての食材を入れ、マヨネーズを加えて全体をよく和え、コショウで味を調える。
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《出典元・参考文献》
カナディアン・パシフィック・カズノコ協会「カズノコについて」
http://www.kazunoko.org/jp/about/index.html
北海道水産加工協同組合連合会
https://www.seafood-hokkaido.com/
川崎市「にしん・かずのこ (旬の魚・青果・花)」
https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000023978.html
DELISH KITCHEN
「数の子って何の卵?数の子を使ったレシピもご紹介!」
https://delishkitchen.tv/articles/1065
レタスクラブ「ニシンの卵なのに、なぜ数の子と呼ばれる?雑学うんちく図鑑」
https://www.lettuceclub.net/news/article/1133138/